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【FP E-PRESS】『住宅ローンの有料相談は無料アプリやウェブサイトにより淘汰されるのか?』【FPコラム】 (Vol.861 2017/10/18)

■□■□■ FP E-PRESS(エフピーエプレス)(Vol.861 2017/10/18)■□■□■


こんにちは。
エフピー研究所のツカモトです。

不適切検査、データ改ざん。ここのところ残念なニュースが続いています。
多少値段は高くても、品質と信頼は抜群というのがニッポンメイドですよね。
とても残念です。

我々FPは製造業とは異なり、データなどで品質を確認することは難しいですが、
一人一人から信頼を得られるよう、愚直に真摯にニッポンメイドのサービスを
提供していきたいと思います。


さて、今週はこちら。


━【 今週のラインアップ 】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

● FP継続教育 通信・通学講座

● FP名人無料説明会のご案内

● FP業務 お役立ちコラム


━━【 FP継続教育 通信・通学講座 】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


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■ 弊社では、上記の通信講座の他にも、現場で活躍するプロからの生の声で学べる
 通学セミナーも実施しています。


 10月開催の継続教育セミナーはこちら

 ◆10月28日(土) 10:00-16:00
 「相談経験が豊富なFPが教える!保険見直し実践テクニック」
 講師:小川 満啓
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 ◆10月28日(土) 13:30-17:30
 「[特別]年200組超の相談FPが実践!信頼されリピーターが生じる住宅ローン相談術」
 講師:平野 雅章
 単位:ライフ 4単位
 会場:サニー貸会議室
 詳細:http://www.kyoukara.jp/school/?detail=50


 ◆10月29日(日) 10:00-16:00
 「金融犯罪の現状と資産防衛術~詐欺からPC犯罪まで」
 講師:明石 久美
 単位:実務倫理 6単位
 会場:文京シビックセンター
 詳細:http://www.kyoukara.jp/school/?detail=89



 11月開催の継続教育セミナーはこちら

 ◆11月12日(日) 10:00-16:00
 「 家計管理アドバイス~低金利時代の資産運用と支出管理の実践」
 講師:益山 真一
 単位:実務倫理 6単位
 会場:文京シビックセンター
 詳細:http://www.kyoukara.jp/school/?detail=138


 ◆11月15日(水) 10:00-16:00
 「『FP名人』ソフトを極める! 使いこなし&コンサル講座」
 講師:小川 満啓
 単位:対象外
 会場:サニー貸会議室
 詳細:http://www.kyoukara.jp/school/?detail=134


 ◆11月25日(土) 10:00-16:00
 「5時間でわかる公的年金~年金達人FPになるために」
 講師:相川 裕里子
 単位:ライフ 6単位
 会場:文京シビックセンター
 詳細:http://www.kyoukara.jp/school/?detail=144


 ◆11月25日(土) 13:30-16:00
 「有料相談2000件を依頼されたFPのFPビジネス・マーケティング講座」
 講師:平野 雅章
 単位:実務倫理 2.5単位
 会場:サニー貸会議室
 詳細:http://www.kyoukara.jp/school/?detail=147



━━【 FP名人 無料説明会のご案内 】━━━━━━━━━━━━━━━━━━


【新規ご購入を検討中のお客様へ】

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 エフピー研究所では、FP名人無料説明会開催を定期的に開催しております。
 「実際の操作画面を見てみたい、質問したい」という方は、是非、ご参加
ください!
 
 10/25(水)、11/8(水):FP名人無料説明会
 10時~、東京都文京区本郷にあるエフピー研究所会議室で開催します。

セミナーの参加申込は ⇒ http://www.fptool.jp/event/



━━【 お役立ちコラム 】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


『住宅ローンの有料相談は無料アプリやウェブサイトにより淘汰されるのか?』


             (執筆者:平野 雅章)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

私は有料相談専門のファイナンシャルプランナーとして、個人から年間約300件

の相談を受けている。

新規の相談者に限れば、相談内容の約7割は住宅購入と住宅ローンに関する相談

である。


先日、あるファイナンシャルプランナーの方から次のように質問を受けた。

「住宅ローンの借り換えアプリが充実してきているけれど、住宅ローンの相談が

減ったとか影響を感じることはないですか?」

彼がいうように、スマートフォンのアプリやウェブサイトで、一般の人が簡単に

住宅ローンを比較できるようになってきている。

いくつか紹介していこう。


借り換えメリットの試算で最も有名なアプリは「モゲチェック」(http://mogecheck.jp/

株式会社MFS)であろう。

借り入れ中のローンの情報を入力すると、借り換えによる最大のメリット金額が

瞬時に表示される。

当然、借り換えにかかる費用も考慮して金額は計算されている。

疑問がある場合は、チャットで相談することも可能だ。

どの金融機関に借り換えるのがよいかは、全国140の金融機関、1,200本以上の

住宅ローンから借り換えメリット金額の大きい順にランキング形式で表示される

が、1~3位は伏せられていて同社のコンサルティングサービス「モゲチェック・

プラザ」を利用することで教えてもらえる仕組みになっている。

同サービスは有料ではあるが、無料診断である程度具体的な提案を受けることも

できる。


新規の借り入れ比較では、「価格.com 住宅ローン比較」(http://kakaku.com/housing-loan/

株式会社カカクコム)がよく利用されているようだ。

約25社500以上の住宅ローンから諸費用を含めた総支払額で比較できる。

将来の金利上昇のタイミングや上昇幅を設定し比較することも可能だ。

こちらはウェブサイト上だけで総支払額順のランキングを完全に見ることができる。


こうしたサービスは精度がかなり高くなってきているのは明らかで、一般の人に

とって非常に役に立つと考えているが、それによって相談依頼が減ったという

ような影響を私自身は感じていない。

また、こうしたサービスの広がりが、ファイナンシャルプランナーの有料相談に

一定の影響を与えることは否めないが、超長期でない限りは有料相談が淘汰

されてしまうとは考えにくい。


このように考えるのはいくつかの理由がある。

まず挙げたいのは、住宅ローンにおける疾病保障団信の充実である。

超低金利の状況下では、金利での明確な差別化を図るのは困難である。

そこで各金融機関は金利以外での差別化も模索しており、特に目立つのは

8大疾病や3大疾病など疾病保障団信の充実だ。


例を挙げると、「住信SBIネット銀行」は以前から8大疾病保障を無料付帯して

いたが、2017年6月からは精神障がい等を除くどんな病気・ケガでも保障する

「全疾病保障」の無料付帯を開始した。

所定の就業不能状態により月々の返済額が保障され、就業不能状態が12ヵ月

経過したら、住宅ローン残高が0円になるという内容だ。


こうした無料付帯タイプの他、金利の上乗せや保険料を支払うことで得られる

疾病保障を充実させている金融機関も多く、金利と併せ総合的に住宅ローンを

評価・比較することはアプリやウェブサイトでは難しいだろう。


2つめの理由は繰り上げ返済である。

現時点では、繰り上げ返済も想定して総返済額の比較ができるアプリや

ウェブサイトはほとんどない状態である。


実は、繰り上げ返済をどの程度行うかで、各住宅ローン商品の総返済額の

有利不利は変わってしまう。

特に固定期間選択型の住宅ローンでは、固定期間終了後の優遇幅が商品に

よりかなりのバラつきがあり、繰り上げ返済により固定期間終了後の

残返済期間がどの程度短くなるかが有利不利を大きく左右する。


アプリやウェブサイトで繰り上げ返済を想定することができても、いくらを

どのタイミングで繰り上げ返済できるかはキャッシュフロー表を作成しない

限り妥当な判断はできない。

特に子育て世帯では学費の増加により将来的に手元のお金が大きく減少する

時期が発生するため、子どもが幼い時期から積極的に繰り上げ返済するのは

リスクを伴う。

キャッシュフロー表作成を含めた総合的なアドバイスが必要なのだ。


3つめの理由は、前提条件の複雑さである。

金融機関によっては同じ金利タイプ、同じタイミングで住宅ローンを借りても

借り入れ条件が違うということがありえる。

例えば、以下のようなケースを挙げることができる。

・新規借り入れより適用金利が低い借り換え専用プランがある
・融資率90%以下(物件価格に対し借り入れ額が90%以下)の人は金利を引き下げる
・店舗ではなくウェブサイトからの申し込みは適用金利を引き下げる
・提携するマンション販売会社からの申し込みにより融資手数料を引き下げる

また、ソニー銀行は中古一戸建ての融資を行っていない、多くのネット銀行では

注文住宅での借り入れは困難など、購入物件によってはそもそも借り入れが

困難になる金融機関もある。


こうした前提条件を全て反映させることができるアプリやウェブサイトがあった

としても、条件入力をする利用者の側にある程度の知識が必要になる可能性が高い。

そもそも入力項目が膨大になるため、利用率の低下が避けられないはずだ。


私が講師を務めるセミナー「年200組超の相談FPが実践!信頼されリピーターが

生じる住宅ローン相談術」では、住宅ローン相談の経験に乏しい人でも専門家と

して総合的なアドバイスができる知識や手順を得ることができる。

興味がある人はぜひ参加してほしい。



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≪執筆者紹介≫

平野 雅章(ひらの まさあき)

住宅ローンや保険を中心に2,000件超の相談実績を持つ、有料相談専門の
ファイナンシャルプランナー(FP)。
豊富な相談経験を活かし、住宅ローンや保険に関するマスコミ取材・執筆も多数。
公的団体や住宅展示場での住宅ローンやライフプランセミナー等の講師も多数務める。
成蹊大学を卒業後、通算17年間企業のマーケティング部門に携わる。
2007年にFPとして独立、横浜FP事務所を主宰する。
2011年より(一社)全国ファイナンシャルプランナー相談協会の代表理事に就任し、
FPへの相談普及にも尽力している。

主なマスコミ取材・掲載
■新聞・雑誌
読売新聞、日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞、サンケイリビング、週刊ダイヤモンド、週刊東洋経済、週刊朝日、サンデー毎日、週刊文春、週刊現代、中央公論、SAPIO、FPジャーナル(日本FP協会)連載(誌上講座、2013年4月~2014年4月)他
■Web
All About マネー「自動車保険の選び方」を連載中 http://allabout.co.jp/gm/gt/2013/
Business Journal(サイゾー)「FP相談1600件でわかった全体最適マネー術」を連載中
http://biz-journal.jp/series/masaaki-hirano-fp/



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