FP向けコラム!『インデックス後進国日本?』【FPコラム】/(Vol.1062 2021/10/6)
■□■□■ FP E-PRESS(エフピーエプレス)(Vol.1062 2021/10/6) ■□■□■
皆様こんにちは! エフピー研究所の三田です。
今回は、10月実施予定のオンラインセミナーのご紹介をさせて頂きます。
<セミナータイトル>
◆『オンラインセミナー(ウェビナー)人生100年時代に備える資産形成!
基礎から押さえるiDeCo・つみたてNISA』
【講師】 小川 満啓講師
【日程】 10/30(土) 10:00~16:00
【定員】 20名(先着順受付)
【受講料】11,000円(税込)
【FP単位】5単位
iDeCo・つみたてNISAどちらもここ最近よく耳にする言葉になりました。
活用すれば誰でも税制の恩恵を受けるこれらの制度ですが、皆さんはもう利用
されていますか?
「なんとなく面倒くさそうだから…。」「老後の資金は今の年金で充分。」と
敬遠していたら勿体ないです!
早く始めれば始める程、お得になるこの制度、それを基礎から応用まで易しく
学べるのが、今回ご紹介させて頂くセミナーです。
<こんな方におススメ!>
・人生100年時代に備える資産形成のポイントを知りたい
・iDeCoやつみたてNISAについて基礎から知りたい
・現行の制度と、今後の変更点について理解したい
・制度の活用方法や投資できる商品について知りたい
・制度の基礎から応用まで広く理解したい
・お客様から相談を受けた際、満足度の高い説明と提案がしたい
またこちらのセミナーは、AFP・CFPの継続教育として【金融資産運用設計】の
5単位も付与されます。
iDeCo・つみたてNISAの事が学べるだけでなく、継続教育の単位も取得できる
お得なセミナーのお申し込みは下記のURLから!
<概要・お申込みはこちらから>
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『インデックス後進国日本?』
(執筆者:ファイナンシャルプランナー 深野 康彦)
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個人投資家が投資信託の保有コストに対する意識を高めたことなどにより、
米国株式S&P500指数連動の投資信託を中心としてインデックスファンドが
持て囃されています。昨年あたりから若年層を中心につみたてNISAが個人
投資家に急速に拡がっていること、「長期・積立・分散」が資産形成の王道と
いう投資スタイルが定着しつつあることもその要因と考えられます。
そのインデックスファンド、投資家の注目度が日に日に高まっている割には、
ETF(上場投資信託)を含めてラインナップはお寒いといわざるを得ないのが
現状です。
たとえば、ウィズ&アフターコロナを含め将来的な世界のマーケット環境を
俯瞰すれば、米国の「NASDAQ」市場に投資したいと思う人も多い気が
してなりません。有望銘柄が数多く上場されているうえ、一時期NASDA
Q指数は連日のように過去最高値を更新するなど力強く上昇していたからです。
しかしながら、同指数が高値圏にあるということは、何らかの悪材料により
値幅を伴う乱高下は今後も度々ありえるでしょう。胆力がある個人投資家で
あれば乱高下に耐えられるかもしれませんが、胆力が伴わない個人投資家は
セオリー通り積み立てで投資していきたいところです。
ところが、いざ米国NASDAQ指数に連動するインデックスファンドへ積立
投資を行おうとしても実際には同指数に連動するインデックスファンドは5本
しかありません。5本もあれば!と思われるかもしれませんが、内2本は20
20年に設定、残り3本の内2本は2021年に設定というように、大まかに
言えば過去1年で4本が新規設定されたので2021年9月末現在、5本とい
うラインナップになったのです。
ちなみにETF(上場投資信託)では為替ヘッジありタイプを含めてNASDAQ
指数に連動する銘柄は5銘柄上場しています。いずれもつみたてNISAの対
象商品ではありません。
足下、米国株はNASDAQ指数によりもS&P500指数が注目されているので、
NASDAQ連動するインデックスファンドなので仕方がないのかもしれません。
しかしながら、日本の新興市場、マザーズ指数やJASDAQ指数に連動する
インデックスファンドに至っては1本も設定されていません(正確には1本あ
りましたが繰り上げ償還になりました)。ETFは、マザーズ指数連動が2本、
JASDAQ指数連動が1本の合計3本があります。マザーズ市場の時価総額
の大きい銘柄は、東証1部へ市場替えする銘柄が多いため指数の連動性が保ち
にくい面があるのかもしれませんが、投資信託は運用会社を信じて託す金融商
品なのだから、運用会社が連続性に関してはその運用力でカバーしてくれても
よい気がしてならないのですが。
「分散」という観点に立てば「MSCI-コクサイ」や「MSCI-エマージ
ング」、あるいは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」
などに連動する投資信託が設定されているので問題ないのかもしれません。
手間暇がかからず低コストで投資できるため経済合理性に合致しているからです。
しかしながら、個人投資家自身でインデックスファンドを組み合わせてポート
フォリオを構築する、あるいはサテライト資産として一部の指数や資産クラス
を厚く投資したいなどの投資家のさまざまなニーズには全く答えていないと思
われてならないのです。
百歩譲って海外の株価指数に連動するインデックスファンドはラインナップが
揃わないのは致し方ないとしましょう。国内株価指数に連動するインデックス
ファンドがスカスカなのが気になるのです。
国内株式であれば、TOPIX(東証株価指数)または日経平均株価連動の
インデックスファンドを揃えておけば大丈夫!あとはJPX日経インデックス
400を加えれば!と思っているなら、運用会社の怠慢と思えてならないのです。
商品のラインナップもさることながら、大型株指数に分類される「日経500指数」
という株価指数は、バブル期の高値を抜いて史上最高値を度々更新しているにも
かかわらず、ETFを含めて1本も設定されていないのです。
日経500指数連動のインデックスファンドがあれば、日本株もなかなかやる
じゃないか!と思われるはずなのに、どこの運用会社も新規設定には乗り気では
ないようです。あげくに新規設定されるのは、自動運転、ロボット、グリーンテック、
フィンテックなどのテーマ型のインデックスファンドばかり。
テーマ型がつみたてNISAの対象になるとは考えにくいと推測されることから、
ラインナップに関しては一考の余地がある気がしてなりません。
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<執筆者紹介>
深野 康彦(ふかの やすひこ)
有限会社ファイナンシャルリサーチ代表
ファイナンシャルプランナー
1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。
FP業界歴32年(2020年4月現在)を誇るベテランの1人。
金融資産運用設計を研鑽して1996年に独立。
現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2006年に設立(起業2社目)。
さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや
生命保険、あるいは税金や年金などのお金周り全般についての啓蒙を
行っている。
日本経済新聞夕刊「投信番付」のほか連載多数。
新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融商品などの
データ提供を行いながら、テレビ、ラジオにも多数出演している。
主な著書:『これから生きて行くために必要なお金の話を一緒にしよう』
(ダイヤモンド社)
『会社が傾いても自分だけは大丈夫病』(講談社)
『あなたの毎月分配型投資信託が危ない!』(ダイヤモンド社)
『1万円から始めるETF投資』(日本経済新聞出版社)
など多数
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